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1101-608号 あなたの処方せん:/19 手肩のしびれ/5止 正確な診断で正しい治療 [kensa-ML NEWS 【情報】]


 10月は何かと慌ただしい月でした。メール配信、ブログ更新も思うように出来ず、本当に申し訳ありませんでした。11月も後半に国立病院総合医学会があり、非常に慌ただしい月ですのであまり配信・更新出来ないかもしれませんが、出来る限り頑張りますので、ご支援いただければ幸いです。本日の記事はここ数日間で気になった記事をお届けします。主として先週の記事なので、必要以上のコメントは差し控えます。


 いつものように社説、コラムのご紹介から。このところ政治色・国際色の強いものが多かったのですが、ちょっと一休み、のようなものがありましたのでご紹介します。今年の秋は紅葉と初冠雪を同時に楽しめた地域もあるようですが、正直言って普通が良いですね。


余録:台風と寒波の錦秋 毎日新聞コラム 10/29 http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
 「秋の日本こそ典型的な地上の楽園だ」。こう書くのは明治時代に来日した米女性旅行家シッドモアだ。桜咲く日本の春を絶賛し、ワシントンのポトマック河畔に日本の桜の植樹を提案した彼女だが、「もっと素晴らしいのは秋だ」という
▲「陽光はまろやかに暖かで、野山は壮麗に色づく。空気は清く澄み、そして明るい」「山腹はどこも草木の葉が見事な色合いでもつれる」。樹種が多く、彩りの豊かなことでは世界でもまれな紅葉と、天高く澄みわたる青空。多くの外国人を魅了した日本の秋である
▲とくにシッドモアは「秋分のころ見舞う嵐」が過ぎた後の何週間か、「冬のすさまじさ」が訪れる前の穏やかな天気をたたえている(「日本・人力車旅情」有隣堂)。紅葉前線が南下する今、まさにその「地上の楽園」と呼ばれた黄金の季節が訪れる……はずだった
▲10月としては記録的寒気が北日本に雪を降らせ、冷たい雨に震えた地方が多い列島である。一方、季節外れの台風14号が沖縄から奄美群島、週末には本土をうかがっている。夏の名残の「嵐」と「冬のすさまじさ」に挟み撃ちされて、さて「秋」はどこへ行ったのか
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天声人語 朝日新聞コラム 10/31 http://www.asahi.com/paper/column.html
 秋は一番からだもこころもひきしまって、勉強のできる時――と童話「風の又三郎」の先生は言った。さわやかなその季節に、北からは寒波、南からは台風。乱調の秋に惑った10月の言葉から
▼50代で視力をほとんど失った東京の染織家、浅野麻里さんが、盲導犬と出会って絶望を乗り越えた体験を絵本にして出版した。「視力は失っても、色彩の世界に身を置き、想像力で心が温かくなる話を書きたい」と書き下ろした。生きることに苦しさを感じている人に読んでほしい、と願いを語る
▼福島県の平田村立蓬田(よもぎた)中学校では、生徒が毎年「学級歌」を作る。今年も3年生34人が100回も書き直して歌詞を仕上げた。音楽の久野(ひさの)雅敏先生(52)は「生徒たちが言葉と格闘してできた歌は、一つとして同じものがない」。まさにオンリーワンである
▼無垢(むく)で笑える子どもの発言を紹介する小紙の投稿欄「あのね」が10周年。特集紙面に仙台の9歳、10月生まれの早川雄人くん。テレビで「今年は秋はない」というのを聞いて「エ!僕のお誕生日も今年はないの!?」
▼名刺の肩書は「アマゾンの百姓」。ブラジルの開拓移民、長坂優(まさる)さん(70)は現地で植林活動に余念がない。「自然の恩恵を受けてきた百姓が破壊者になっていたんです」。開拓仲間とともに20年で5万6千本を植えた
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 さて各種医療改革や制度改革など日本の医療の将来を左右する重要案件が様々なところで議論されていますが、各報道機関とも厳しい評価のものが多いですね。特に今後の医療財源に大きく関わる高齢者医療、高額医療制度に関する記事をご紹介します。


高齢者医療―こんな改革はいらない 朝日新聞社説 10/29
 
http://www.asahi.com/paper/editorial20101029.html#Edit1
 いたずらに混乱を招くだけで、副作用が大きすぎるような改革は、やめるべきだろう。
 後期高齢者医療制度を廃止したあとに、どんな新制度をつくるのか。厚生労働省の改革会議で、議論が進んできた。7月に原案が示され、先日は新制度で保険料などの負担がどう変わるかについての試算も出た。
 だが、新制度案はきわめて複雑で、誰の負担にどう影響するのか、理解することすら容易ではない。それでいて、本質的なところで中身は現行制度と変わりない。小手先の変更に終始した印象はぬぐえない。
 75歳以上のお年寄りの医療費を切り離して別勘定にし、保険料、現役世代からの支援金、公費(税金)の三つで賄う。「うば捨て山」と批判された構造自体は温存されるのだ。
 ただし、会社に勤めていたり、息子や娘らに扶養されていたりする人は健康保険組合などへ戻る。それ以外は国民健康保険に加入する。
 これで民主党が政権公約に掲げた「今の制度を廃止する」との約束を守ったと説明はできても、看板を変える以上の意味は見いだせない。
 その一方、各保険制度ごとに「別勘定」ができるため、お金のやり繰りは格段に複雑化する。制度のわかりにくさは、それ自体が不信を招く要因だ。高齢者と、それを支援している現役世代の双方が納得できないような制度になりかねない。
 厚労省は、他にいくつかの制度変更も提案している。
 高齢者の保険料率の伸びを今よりも抑える。高齢者への支援金を現役に割り当てる際、中小企業の社員が中心の協会けんぽでは負担を軽く、高収入の社員が多い健保組合では重くする。70歳から74歳までの窓口負担を1割から2割に引き上げる、などだ。
 また、長期的な課題として、国民健康保険の運営全体を市町村から都道府県単位にする方針も打ち出した。
 こうした変更は、現行制度下でも実施できる。余計な制度いじりと切り離し、実現可能性を探ればよい。
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高齢者医療制度 財源論抜きで改革は進まない(10月28日付・読売社説)
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101027-OYT1T01133.htm
 社会保障全体の財源論を欠いたまま、高齢者医療の負担を押しつけ合っても、「新しい高齢者医療制度」は国民に受け入れられないだろう。
 厚生労働省が、後期高齢者医療制度に代わる新制度について、高齢者と現役世代が負担する保険料などの見通しを「高齢者医療制度改革会議」に示した。
 75歳以上の後期高齢者の保険料負担を抑えるため、大企業の健保組合や公務員の共済組合に負担増を求める。一方で、70~74歳の医療費の窓口負担を、現行の原則1割から2割へと段階的に引き上げる――といった内容だ。
 医療費のかかる後期高齢者は今後、大きく増加する。その負担を後期高齢者だけに求めきれない以上、どこかで肩代わりしなければならない。負担の見直しは、やむを得まい。
 だが、負担増を迫られる層の納得は得られるだろうか。
 高齢者だけでなく、現役世代も苦しい。大企業の健保組合も保険料の上昇に耐えられず、解散する事例が相次いでいる。世代を問わず、保険料や窓口負担の重さは限界に近い。
 そうであれば、公費の投入を増やすしかない。そのためには消費税で社会保障財源を確保し、どこまで公費を拡大できるか、併せて検討することが不可欠だ。
 しかし、そうした財源論がないまま、新しい制度の議論が進められている。政府・与党が「後期高齢者医療制度を廃止する」という政権公約(マニフェスト)の実行を急いでいるからだ。
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厚労省/高齢者医療制度改革案を提示 公費、自己負担引上げへ Japan Medicine 10/29
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/29/127679/
 厚生労働省は25日の高齢者医療制度改革会議(座長=岩村正彦・東京大大学院教授)に、高齢者医療への将来的な公費投入割合について、4年ごとを軸に定期的に見直すことを提案した。当面は47%にとどまっている75歳以上の公費負担割合を、新制度に移行する2013年度に50%に引き上げる。
 現行の後期高齢者医療制度では、給付費の約5割を公費負担としているが、現役並み所得のある高齢者(約120万人)には公費が投入されていないため、実質的には47%にとどまっている。この割合を50%に引き上げることで、約3500億円を追加投入することになる。さらに、改革会議の中間取りまとめで公費投入について「高齢者や現役世代の保険料負担の増加を抑制するために、効果的な投入を図りつつ、充実させていくことが必要」と指摘したことを踏まえ、定期的に医療費動向や社会経済情勢などを踏まえながら、公費の在り方を検討する仕組みを導入することを提案した。
被用者保険者間案分は全面的に総報酬割
 被用者保険の支援金の案分については全面的に総報酬割を導入することを提案した。現行の3分の1総報酬割、3分の2加入者割と比べて、協会けんぽの負担は2100億円の負担減となる一方、健保組合は1300億円、共済組合は800億円の負担増となる。現役並み所得のある高齢者の公費負担割合を5割に引き上げた場合、健保組合で負担が増えるのは540組合、負担が減るのは922組合。共済組合では負担増が62組合、負担減が21組合となる。
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政府、補正予算案を閣議決定 地域医療再生基金に2100億円 Japan Medicine 10/29
 
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/29/127680/
 政府は26日、「緊急総合経済対策」を柱とする2010年度補正予算案を閣議決定した。公共事業の前倒し契約を含めると、経済対策の規模は総額5兆901億円で、うち厚生労働省は医療・介護・福祉などに1兆2225億円を計上。「地域医療再生基金」に2100億円を積み増すほか、子宮頸がんなどのワクチン接種への公費助成を行う。政府は今月29日に補正予算案を国会に提出する方針だ。
 医療・介護・福祉などのうち、医療には6701億円、介護には1506億円を投じる。
ワクチン接種の公費助成に1085億円
 医療では、都道府県に設置されている地域医療再生基金に2100億円を積み増し、高度・専門医療や救命救急センターなど3次医療圏単位での広域的な医療提供体制の整備・拡充を実施。子宮頸がんとHib(インフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌ワクチンの接種事業には1085億円を計上し、都道府県に基金を設置して市町村が行う接種事業に対する財政支援を行う。
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高額療養費制度:高所得層負担増で必要財源減 見直しで新試算 毎日新聞 10/28
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101028ddm002010111000c.html
 厚生労働省は27日、患者の医療費負担を軽減する国の高額療養費制度で、患者の自己負担上限額を見直した場合の新たな試算を、社会保障審議会医療保険部会で公表した。70歳未満の患者の自己負担上限額(月額)について、年収約300万円以下を現行のほぼ半分にする一方、年収約800万円以上で約3万円、約1000万円以上で約10万円それぞれ引き上げるなどした場合、必要な財源は約2200億円になると示した。
 新たな試算は、加入者数が最も多い70歳未満の「一般所得者」のうち年収300万円以下の低所得層で上限額を4万4400円、支給4回目から3万5400円にする一方、年収約800万円以上の所得者は上限額を約18万円、支給4回目から10万円に引き上げると仮定した。
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 さて今のところ、今季のインフルエンザ発生は散発的で非常に落ち着いた状況ですので、ワクチン接種をまだ受けられていない方も多いのでは?と思います。鳥インフルエンザに関してはワクチン開発が非常に遅れている状況ですが、その原因として資源と言って良いものか、ウィルスを持っている国が出し渋りしていることも一因です。勿論ウィルス保有国(このような表現良いのかしら?)の責任だけではなく、ウィルスによりワクチンを作成する側にも責任があります。ウィルス保有国が出し渋るのも心情的には理解が出来ますが、国際的なルール作りに努めてもらいたいものですね。

 しかしウィルス保有国が強硬な態度に出るというのは、ある意味仕方なし、ある意味自国の責任をどう考えているのか?という二面性で複雑な気がします。これまで前例はないと思いますが、ウィルスを発生させた責任について問われた場合、利益配分がどうとかこうとかの話で無くなってくると思います。やっぱり国際的な透明化されたルール作りじゃないですかね?人類全体の脅威として考えてもらえば良いのでは?と私は思いますが、そんな単純なものじゃないのでしょうね・・・でもごくシンプルに考えなければいけない問題だとも思います。


鳥インフルエンザ:ウイルス「提供再開」 利益配分条件に--インドネシア 毎日新聞 10/31
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101031ddm001040062000c.html
 国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)で微生物など遺伝資源の利用と利益配分を定めた「名古屋議定書」が採択されたのを受け、インドネシア政府は同国内で世界最多の感染者が出ている強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)を世界保健機関(WHO)に提供する見通しとなった。同国の交渉官は毎日新聞の取材に対し、「利益配分を受ける準備が整えば提供を再開する」と述べた。
 議定書は、人や家畜などの健康に脅威が差し迫っている場合、遺伝資源の迅速な利用を認め、提供国は利益配分を受けると定めた。新型インフルエンザや口蹄疫(こうていえき)などの病原体が発生した時には、発生国が病原体を提供する代わ
りに、医薬品提供や医薬品代の割引などの形で利益配分を受けることを念頭に置いている。
 これまでは発生国からWHOに提供された病原体を先進国の製薬会社が無償で利用し、ワクチンなど高価な医薬品を開発していたため、途上国側は利益配分を受けられない不満を募らせていた。特に世界的な大流行が懸念されている強毒性鳥インフルエンザをめぐっては、遺伝資源への権利を提供国に認めた生物多様性条約を根拠にインドネシアが07年からWHOへのウイルス提供を拒否し、国際的な問題となっていた。
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 一応???私も臨床検査技師の端くれですから、このニュースは外せないなぁ・・・どのように配信すれば技師らしくなるのだろう???などと考えているうちに日にちが過ぎ、旬の記事ではなくなってしまいました。

 既にあちらこちらで出回ってはいますが、B型肝炎に関する遺伝子型別について少し触れてみたいと思います。遺伝子型別検査の有用性が良く分かります。


B型肝炎ウイルスの遺伝子型とは?
 
http://www.tokumen.co.jp/column/kanzo1/06.html
 B型肝炎ウイルスは約3,200個の塩基(DNAの構成単位)からできていて、動物に感染するDNAウイルスとしては、一番小さいものです。DNAの上にはウイルスの増殖と合成に必要なタンパクを作るために必要な情報がすべて記されています。B型肝炎ウイルスに、いろいろな種類があることが分かってきて、それらは遺伝子型(ゲノタイプ)と呼ばれています。基準として、3,200個の塩基の中で8%に相当する約250個以上が互いに違っていることで、遺伝子型が区別されています。遺伝子型はアルファベットの大文字で、発見された順番に名前がつけられています。現在AからGまで、7種類の遺伝子型が知られていますが、世界にはB型肝炎ウイルスの遺伝子型が調べられていない国々もまだ沢山ありますから、将来もっと増えるかもしれません。最近、8番目の遺伝子型として、F型と近縁関係にあるH型遺伝子が提唱されています。
 遺伝子型が違うB型肝炎ウイルスがもつ塩基3,200個の配列を比較した結果から、まるで家系のような系統樹を画くことができます。系統樹から、7種の遺伝子型の近緑関係を知ることができます。アフリカに住む野生のチンパンジーの中にも、B型肝炎ウイルスに感染している個体があります。チンパンジー固有の遺伝子型は、系統樹の根幹からは分岐してはいません。ヒトB型肝炎ウイルスの遺伝子型の中に溶け込んでしまうのです。ですからヒトとチンパンジーが、同一のB型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。ヒトB型肝炎ウイルスをチンパンジーに静脈注射すると感染が起こります。逆の、チンパンジーからヒトへの感染例はまだ証明されていませんが、機会があれば血液を介して感染するだろうと考えられています。後でお話ししますが、チンパンジーが野生するアフリカではE型遺伝子・ウイルス感染が蔓延しています。系統樹の上でチンパンジーの遺伝子型は、E型と近い関係にありますので、ヒトからチンパンジーへ、あるいはその逆の感染経路があるだろう、と考えられます。
 B型肝炎ウイルス遺伝子型の応用には、大きく分けて三通りあります。一つは世界の国々で遺伝子型の分布を調べることで、これを疫学といっています。疫学から、大昔の民族移動とか、共通の先祖を推定することができます。二つ目に、B型肝炎ウイルスが人から人へと感染したことが疑われた場合に、感染経路を知るのに役立ちます。具体的には、二人の間で遺伝子型が違っていれば、ほかの人から感染したことになります。同じであれば二人の間での感染が疑われますが、遺伝子型が同じである第三者からの感染の可能性も残ります。第三の応用として、B型肝炎ウイルスの遺伝子型の違いによって、感染した患者に発症する肝臓病の進行速度が違いますので、将来どのような経過をたどるか、あるいはB型肝炎ウイルスに対する薬剤療法が効く可能性がどのくらいあるか、を予想するのに役立ちます。
【B型肝炎ウイルス遺伝子型の世界分布】
 全世界で、全人口の6パーセントに相当する3億5千万人がB型肝炎ウイルスに持続感染し、その大部分がアジアとアフリカに住んでいます。でも、全感染者の中でB型肝炎ウイルスの遺伝子型が調べられた人は、僅かに数万人か多くても十万人程度です。ごく一部分でしか遺伝子型が調べられていませんし、対象も健康な献血者から重い肝臓病のある患者さんまで、まちまちです。しかもB型肝炎ウイルスの遺伝子型が全く調べられていない国々も、まだ沢山残っています。そのために、B型肝炎ウイルスの遺伝子型で世界を綺麗に色分けすることはまだ難しいのですが、それでも国によって遺伝子型分布のはっきりとした違いが見られます。
 すぐに気がつかれると思いますが、ある国で頻繁に見られる遺伝子型はたいてい2種類どまりです。日本と中国ではB型遺伝子とC型遺伝子が主で、同じアジアでもインドではヨーロッパと同じようにA型遺伝子とD型遺伝子が多く見られます。オーストラリアではC型遺伝子とD型遺伝子の、2種類です。一方、トルコとエジプトでは、D型遺伝子だけです。E型遺伝子の世界分布は極端に偏っていて、サハラ砂漠より南のアフリカにだけ発見されています。F型遺伝子も中南米に限局しています。G型遺伝子の分布はまだ不明です。
 アメリカは例外的に沢山の遺伝子型が見られます。頻度が少ない遺伝子型は、図では見えませんが、A型遺伝子からG型遺伝子まで、7種類すべてが見つかっています。ニューヨークに代表される大都会は人種のるつぼですので、移民の出身国に特徴的な数多くの遺伝子型が集まるのでしょう。広い国ですので地域差が激しく、南部の白人ではヨーロッパ由来と考えられるA型遺伝子の頻度が高くなっています。
【B型肝炎ウイルスの日本国内分布】
 日本では主としてB型遺伝子とC型遺伝子が見られますが、地方によってその割合が大きく変わっています。特に、C型遺伝子の割合は九州で一番高く、そこから日本列島を北に進むにつれて次第に減少する傾向が見られます。周囲をみますと、お隣の韓国では、C型遺伝子が100パーセントです。日本でのB型遺伝子とC型遺伝子の分布から、先住民の一部がもともと感染していたのは殆どがB型遺伝子・ウイルスだったであろうと想像できます。大昔に、C型遺伝子・ウイルスに感染していた他の民族が多分韓国から渡来して、長い年月をかけて日本列島を北へ向かって移動したのでしょう。そのために北にいくにつれてC型遺伝子・ウイルスの割合がすこしづつ減少するのだろう、と考えることができます。
 沖縄ではB型遺伝子の割合が約4分の3もありますので、C型遺伝子・ウイルスは九州から南下することが少なかったのだろうと考えられます。北海道でのB型遺伝子とC型遺伝子の割合は、九州と東北の中間です。北海道では明治維新の頃、国策としての移民が盛んとなり、主に東北と九州から農業・酪農をする目的で移住しました。そのために両者の中間の割合となったのだろうと思われます。
 B型遺伝子とC型遺伝子に比べるとずっと少ないのですが、日本でもA型遺伝子が少し見られます。日本には本来なかった遺伝子型ですので、外国人によって搬入されたB型肝炎ウイルスに感染した結果であろうと考えられます。A型遺伝子・ウイルスが九州に多いことも、それが南蛮渡来のものであることを彷彿させます。
【急性および慢性B型肝炎患者の遺伝子型】
 最近、日本でB型急性肝炎が増加しています。大半の感染経路は、婚外の性交渉です。ですから、A型遺伝子・ウイルスが蔓延している外国からのセックス・ワーカーから感染した可能性が、かなりあるだろうと予想できます。東京の病院で受診した急性および慢性B型肝炎患者の遺伝子型分布は、大きく違っています。B型慢性肝炎では、C型遺伝子が圧倒的に多く、約90%を占めます。残りの大部分はB型遺伝子ですから、日本での分布と合っています。殆どの患者さんは、感染者である母親から出産した時にB型肝炎ウイルスが感染した結果、長年の間に肝炎を発症したのでしょう。厳密にいうと、慢性肝炎の患者さんでは日本人全体と比べてC型遺伝子の割合がB型遺伝子よりずっと多くなっています。これはC型遺伝子・ウイルスの方がB型遺伝子・ウイルスより重い肝臓病を起こしやすく、従って病院を受診する患者さんでは頻度が高くなることが原因です。
 B型急性肝炎では遺伝子型の分布が大きく変わっています。まず、外国由来と考えられるA型遺伝子の割合が4分の1以上あって、とても多いことが分かります。B型遺伝子よりは多いですが、C型遺伝子よりは少なくなっています。


B型肝炎検査薬、厚労省が初承認 遺伝子タイプを判定 朝日新聞 10/29
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010290228.html
 国内の患者・感染者が100万人を超えるとされるB型肝炎で、ウイルスの遺伝子タイプを判定する検査薬が初めて厚生労働省の製造販売承認を受けた。年内にも医療関係機関向けに販売が始まる。タイプごとに症状や治療効果に違いがあるが、国が承認する検査薬はなかった。患者に最適の治療法選びに役立つと期待される。
 メーカーは特殊免疫研究所(本社・東京)。この検査薬では、患者の血液からB型肝炎の四つのタイプを判定できる。4タイプは、がんになりやすい年齢や治療方法、治療薬の効果にも違いがある。
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さてイレッサ(一般名ゲフィチニブ)等抗がん剤に関する話題を数編。
 抗がん剤についてはがんの種類により効く、効かないがある程度判明してきていますが、完全に把握されているものでないことは皆さんもご存じのことと思います。しかしながら近年遺伝子解析等の進化によりかなり個体差による薬の効き具合も分かるようになってきていることも事実です。テーラーメイド医療と叫ばれて久しいですが、この分野における更なる進化を期待したいですし、臨床検査部門が更なる進化を遂げられる分野ではないかと期待しています。


肺がん:開発中の新薬 効かない仕組み解明 自治医大など 毎日新聞 10/28
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101028k0000e040032000c.html
 従来の治療薬が効かない肺がんに著しい効果があるとされる開発中の新薬「クリゾチニブ(一般名)」で、患者の一部に薬が効かなくなる「薬剤耐性」が起きる仕組みを自治医科大と東京大の研究チームが解明した。他のがん治療薬にも応用でき、耐性化しにくい薬の開発に道が開けるという。28日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された。
 チームは07年、肺がんを引き起こす遺伝子「EML4-ALK」を発見。08年にはこの遺伝子が作る酵素の働きを抑える化合物で、マウスの肺がん消失に成功した。米製薬企業が製品化し、米豪韓の臨床試験で9割の患者に腫瘍(しゅよう)縮小の効果があったという。肺がん患者の4~5%がこの遺伝子を持ち、「イレッサ(一般名ゲフィチニブ)」など既存の薬が効かないという。
 チームは投与開始の約5カ月後に再発(その後死亡)した20代の男性患者のがん細胞を分析。肺がん遺伝子の2カ所が突然変異して酵素が変形し、薬が効かなくなっていることが分かった。薬は、酵素を働かせる物質に代わってこの部位に結合し、酵素の働きを妨げる仕組みだが、変形で薬が結合できなくなっていた。イレッサなど他の治療薬でも同様の変形で薬剤耐性が起きていることも分かった。
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肺がん治療、9割に効果 がん化阻害する新薬へ期待 朝日新聞 10/28
 
http://www.asahi.com/health/news/TKY201010280240.html
 がんでは最多の年間7万人が国内で亡くなる肺がんの治療に、有望な新薬が生まれそうだ。がんの原因となる遺伝子の働きを妨げる薬を飲んだ6割近くの患者の腫瘍(しゅよう)が小さくなったことが、治療薬の承認に向けた米韓豪での臨床試験(治験)で確かめられた。大きさが変わらなかった例も加えると9割に効果があった。試験には日本人の患者も参加した。
 この遺伝子は間野(まの)博行自治医大教授(東大特任教授)が発見したEML4―ALK。試験では、この遺伝子を持つ82人の患者を対象に1日2回、がん化を促す酵素の働きを抑える「ALK阻害剤」という薬を飲んでもらった。その結果、57%の患者の腫瘍が消えるか小さくなった。33%は腫瘍の大きさが変わらず安定していた。副作用の多くは軽い吐き気や下痢。治験は昨年末から、日本でも行われている。
 間野教授によると、この遺伝子を持つのは肺がん患者全体の約5%だが、50歳以下の若年層に限ると、患者の3人に1人はこの遺伝子を持っている。たばこを吸わない人に多いのも特徴という。
 間野教授は、治療を始めてから6カ月後に、阻害剤が効かなくなった患者のがん細胞の遺伝子を解析し、薬剤耐性の原因とみられる変異を2カ所見つけた。間野教授は「今回の発見で、薬に耐性ができた患者向けの薬の開発もスタートできる」と話す。
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[解説]イレッサ副作用…夢の抗がん剤、死の教訓 読売新聞 10/30
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=32719
使用法を厳格化 承認に「全例調査」
 問題の発生から8年、訴訟は大阪、東京両地裁で8月までに結審した。訴訟の行方は来年に予定される判決に委ねられるが、一連の問題は、医薬品行政やがん治療のあり方に大きな教訓を残した。
 「がんに負けるなら仕方がないが、薬で死んだらどんなに悔しいだろう。あの時、命を落としていたら、この8年はなかった」 原告の一人で三重県四日市市の清水英喜さん(55)が振り返る。遺族中心の原告団(計15人)で唯一の患者本人。「余命半年」と宣告され、イレッサを飲み始め約1か月後の2002年10月、副作用の間質性肺炎で窒息死寸前の苦しみを味わった。
 イレッサは、がん細胞を狙い撃つ「分子標的薬」という新しいタイプの抗がん剤で、同年7月、世界に先駆けて日本で承認された。正常な細胞も攻撃する通常の抗がん剤と違い、「副作用が少ない夢の新薬」との評判で短期間に使用を増やした。
だが、まもなく間質性肺炎など重い副作用が表面化。この年だけで387人の副作用報告があり、180人が死亡した。副作用への警告など安全対策が不十分だったため、被害が拡大したとみられている。
 04年には遺族が国と製薬会社を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしたが、当初、清水さんは裁判に訴えるつもりはなかった。がんの転移が見つかり、闘病で精いっぱいだったからだ。しかし、この問題について、テレビで厚生労働省の担当者が「教訓はない」と話すのを見て、「患者の苦しみや死を教訓にしなければ被害が繰り返される」と訴訟に加わることを決意した。
 訴訟で、被告側は対応の正当性を主張し争ってきたが、実際、この問題を契機に見直されたことは少なくない。
 まず、イレッサは今も肺がん治療に使われるが、使用法が大きく変わった。当初は、どんな医師でも処方でき、経口薬のため、手軽に自宅で治療を始められた。今では使用を専門医に限定し、4週間は入院など厳重に観察できる状態で使うよう添付文書に明記された。
 特定の遺伝子に変異があるなど、効くタイプの患者かどうか事前に検査して使うことも一般化した。
 新薬承認の際、市販後も使用者全員の状況を把握する「全例調査」を課すことが増えたのも見逃せない。
 全例調査は試験段階で国内症例が少なかったり、重篤な副作用が出たりした薬について、安全対策に備えるため、有効性と安全性の継続調査を国が企業に義務づけるもの。イレッサの場合、この条件は付されず、使用者数さえ不確かだった。
 医薬産業政策研究所の調べによると、承認条件に全例調査が付された薬は00~02年に計9品目だったが、03~05年は計24品目に増え、その後も増加傾向にある。03~08年に全例調査を付された73品目のうち4分の1を抗がん剤が占めた。
 承認にかかわる専門家は「イレッサの問題を受け、抗がん剤の承認には全例調査を義務づけるようになった」と明かす。被害の教訓なくして、こうした安全策はとられただろうか。
 一方で、残された課題もある。被害にあった人を救済する方策がない、というのがその一つだ。国が設けた副作用被害救済制度でも、重い副作用があっても使用が必要な場合がある抗がん剤は対象外とされており、救済のあり方を再検討すべきだとの指摘も出ている。(医療情報部 高梨ゆき子)
【イレッサを巡る主な経過】
 2002.1 日本で承認申請
      7 世界に先駆け日本で承認
     10 厚生労働省が間質性肺炎などの副作用について緊急安全性情報を
        出すよう指示
 2003.5 米国で承認
 2004.7 大阪地裁で京都の患者遺族が最初の提訴
     11 東京地裁でも遺族が提訴
 2005.1 アストラゼネカ社が欧州での承認申請を取り下げ
      6 米国で新規患者への投与原則禁止
 2009.7 欧州で遺伝子変異のある一部患者に限定して承認
 2010.7 大阪地裁で結審
      8 東京地裁で結審
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 さて本日のメインニュースに移ります。

 先日お届けした特集記事の最終章となります。私自身も手のしびれや肩こりなどに苦しめられていますので、非常に興味深く読ませていただきました。時折、毒舌コメントを記すことがありますが、これは私のしびれた指先が不随意運動を起こしてタイピングさせたものだとご理解いただければ幸いです。(--;

 今月もどうぞよろしくお付き合いください。


【毎日新聞社特集記事 2010/10/29】
 あなたの処方せん:/19 手肩のしびれ/5止 正確な診断で正しい治療
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20101029ddm013100173000c.html
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 肩から手にかけての慢性的な痛みやしびれを起こす胸郭出口症候群と似た症状を起こすものに、手根管(しゅこんかん)症候群と肘部管(ちゅうぶかん)症候群がある。
 手根管は手首にあるトンネル状の器官で、5本の指の曲げ伸ばしをする神経と筋肉でできた腱(けん)が通っている。この部分で腱が腫れ、神経が圧迫されることで、親指から薬指の縦半分の中指側までの部分にしびれが生じる。原因には女性ホルモンの減少が関係し、更年期や出産直後の女性に症状が多くみられる。ステロイド注射などで治療するのが一般的だ。
 また肘部管症候群はひじにある肘部管を通る神経が圧迫されて起こる。ひじをぶつけると、指先までのしびれを起こす部分で、骨が変形して神経を圧迫するようになると、薬指の小指側と小指がしびれる。大工や運送業などひじをよく使う人に起こるほか、老化による骨の変形も原因となる。
 胸郭出口症候群の患者を多く手術している関西医大滝井病院の齋藤貴徳教授(整形外科)は「胸郭出口症候群は、病名としては昔から知られているが、きちんと最後まで治療した経験のある整形外科医は少ない。手根管症候群や肘部管症候群などに間違って診断されて治療を受けても、患者は治った実感を得られないまま、治療をあきらめてしまっている」と指摘する。
 連載1回目で紹介した大阪府の学校給食調理員の女性(40)は、治療法を求めて、病院を転々とする中、2カ所目の吹田市の病院では、手首の検査をしただけで「手根管症候群」と診断され、痛み止めの注射を受けた。「すぐに治る」と医師に言われたが、逆に1週間ほど痛みが激しくなっただけで治らなかった。「ちゃんと診断してもらえなかった」と今も憤りを隠さない。
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[ひらめき] PADM(パダム):遠位型ミオパチー患者会へのご協力お願い [ひらめき]

    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
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