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0923-594号 今どきの困った患者(その1)医療知識を振りかざす [kensa-ML NEWS 【情報】]


 さすがに?昨日は疲れました。一昨日は当直でしたが、当直業務自体は落ち着いていましたので、昨日の神戸大での講義資料を夜な夜な作成していました。講義内容は臨地実習直前講義ということで、現場に入る際の心構えや臨床現場の実態などお話してきました。昨年もそうでしたが、短時間内に出来る限りのエッセンスを埋め込みたいと考えていますので、どうしても資料が多くなってしまいます(後で読んどいてね、みたいな)。講義資料を印刷し終えたのは午前三時、それからホッチキスや留め作業を行い、終了したのが午前四時半。それから昨日の提出書類などがあったため、目を通していたら午前六時・・・結局シャワーを浴びて朝の作業に入りました。

 昨日の講義では、私の担当講座はいわば「精神論」ですから、色々と現場事情を好き放題お話ししましたが、学生の皆さんにはどのように感じてもらえたのかなぁ・・・と少し不安感もあります。もう一コマ(一時間半)あれば、もう少し具体的な内容まで突っ込んでお話しできたのかもしれませんが、私の拙いお話は一時間半で充分かもしれませんね・・・アンケートもとっていますので、どのような内容を返してくれているのか、非常に楽しみです。

 先日、神戸大の一回生の方々が見学実習に来られましたが、残念ながら体調不良のため来られなかった学生さんを含め、来られた学生さんからも、「また来たい」というご希望がありました。来週に来ていただくよう準備を進めているところですが、多くの学生の方々に気軽に来ていただけるような環境作りに努めたいなぁと考えているところです。


 今日は少年野球SSC太陽のスケジュールが色々と入っていたのですが、大雨洪水警報も発令されているため、全ての予定は中止となりました。昨晩はさすがに疲れ果てて仕事になりませんでしたので、ニュース配信も出来ませんでした。誠に申し訳ありませんが、昨日配信予定であったニュースを今号ではご紹介します。


 さてまずはコラムのご紹介から。世間を揺るがす大阪地検特捜部検事によるデータ改ざん証拠隠滅問題は所狭しと紙面を賑わせておりますが、検察という組織の根幹を根こそぎ潰してしまうような失態ですね。ものの是非を客観的に判断するべき組織の国民との信頼関係が崩壊したという事態に、どのような再構築を行うのでしょうか?いわば検察という組織は犯罪者をいくらでも作り出せるという事実に、やはり第三者組織による監査を強化することくらいしかないのでしょうか?このような批判を書き込みすると検察から睨まれるのでしょうかね?

 私自身、政策医療分野における検査データの標準化を推進する仕事を通常業務と併任して行っておりますが、私がメーカーやディーラーとつるんで特定メーカーへの利益配慮を行ったとすれば、私だけではなく私とともに歩んでいる仲間を裏切ることにもなりますし、私の背中を見ている後進の方々、組織全体を冒涜することにも繋がります。善玉でも悪玉でも世間からの見え方はどちらでも良いのですが、個人的利益などに走り、軸をぶらしてしまうとどうなるのか、見栄とプライドをはき違えるとどうなるのか、当たり前の識が分からないのは本当に情けないことです。


9月22日付 よみうり寸評 読売新聞夕刊コラム
 
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column2/news/20100922-OYT1T00617.htm
 〈悪いやつを徹底的に退治するためには、検察は、どこまでも善玉でなければならない。それには、まずフェアな態度を貫く必要がある〉(伊藤栄樹元検事総長)
◆大阪地検特捜部・前田恒彦検事の容疑は、あろうことか「証拠隠滅」だ。検察官が捜査の証拠物を改ざんしたという前代未聞、言語道断の行為だ。およそフェアや善玉とは、はるかに遠い
◆秋の霜、夏の激しい日差しにも似て、〈秋霜烈日〉といわれる検察官のバッジが泣いている。巨悪に挑み「鬼の○○」「閻魔(えんま)の××」などと呼ばれた先輩検事が目をむいて怒っている
◆〈人に聞くより物を見よ〉は一線捜査検事の心得の第一だが、前田検事はこの検察読本のイロハのイをないがしろにした
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 ドロドロした話題はこのくらいにして・・・昨晩は中秋の名月でしたね。残念ながら帰宅途中におぼろ月が僅か見えただけでした。各社社説やコラムはドロドロした話題ばかりでしたので、マシな話題は無いものかと探していたところ、京都新聞が中秋の名月の話題を書いていました。月齢というものがあることは知っていたのですが、きちんと覚えていなかったのでちょっと調べてみました。月齢では今日は十六夜(既望)ですが「既望」とは「希望」とは違って「既に満月を過ぎた意味」とのこと。「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす おごれる人も久しからず ただ春の世の夢のごとし たけき者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ」・・・また検察と重ねてしまいました。

月齢:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E9%BD%A2
 1:朔(さく)/新月(しんげつ)
 2:既朔(きさく)
 3:三日月(みかづき)
 7/8:上弦(じょうげん)
 13:十三夜(じゅうさんや)
 14:小望月(こもちづき)/幾望(きぼう)
 15:満月(まんげつ)/望月(もちづき)
 16:十六夜(いざよい)/既望(きぼう)
 17:立待月(たちまちづき)
 18:居待月(いまちづき)
 19:寝待月(ねまちづき)/臥待月(ふしまちづき)
 20:更待月(ふけまちづき)
 22/23:下弦(かげん)
 29/30:晦(つごもり)


中秋の名月 梵語(京都新聞コラム) 9/22
 
http://www.kyoto-np.co.jp/info/bongo/20100922.html
 粉、綿、ざらめ…津軽には七つの雪があるという。刻々と姿を変える月となれば七つどころではないが、十五夜(中秋)の後も、それに続く呼び名があるとは知らなかった
▼十六夜(いざよい)に始まり、立待(たちまち)月、居待(いまち)月、寝待(ねまち)月といった具合だ。本紙「窓」欄に掲載された京丹波町の林靖子さんの投稿で教えられた。今年は22日が中秋の名月で「いにしえの人々の気分で体験したい」とつづっておられる
▼月見は中国から伝わった風習だが、月は人の心を癒やすだけの存在ではない。米ソの宇宙開発競争、米国・アポロ11号の月面着陸を経て、今や月探査は各国入り交じっての競争時代を迎えている
▼日本は昨年6月、「かぐや」が月周回軌道での観測を終了。2020年ごろにロボットによる月探査などを予定しているが、予算化のめどはついていない。これに対し系統的なのが中国の計画だ

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 久し振りに「はやぶさ」の話題がUPされていましたのでご紹介。儚くもひととき輝き、塵と消えた「はやぶさ」の輝きは満天を照らす満月よりも輝いていたとは驚きですね。


はやぶさ:大気圏突入時の輝き「満月以上」 天文台が解析 毎日新聞 9/22
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100922k0000m040122000c.html
 6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が地球の大気圏に突入して本体が燃え尽きる際、満月を上回る輝きを放っていたことが、国立天文台などのチームの解析で分かった。22日は中秋の名月。はやぶさの最後の明るさが実感できそうだ。同日から金沢市で始まる日本天文学会で発表する。
 チームは6月13日夜、はやぶさの突入ルートに近いオーストラリア南部で撮影した。本体が放った光は明るすぎて解析できなかったが、カメラのレンズに数回反射して写った光から分析。最大発光時にはマイナス13等に達していたことが分かった。この明るさは満月をやや上回り、満月の前日に当たる今年の中秋の名月の約2倍という。
 一方、本体から分離され回収されたカプセルは惑星で最も明るい金星とほぼ同じマイナス5等を記録した。

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 私は草食系でも肉食系でもない中途半端な人種かと認識しています。草食系男子がもてはやされる?今日この頃、草食系ブラックホールとは何のこっちゃ?と思った記事を見つけましたのでご紹介。草食系男子の定義も同時にご紹介しておきます。

草食系男子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E9%A3%9F%E7%B3%BB%E7%94%B7%E5%AD%90
 草食系男子の定義は論者によって異なる。深澤は、「草食男子」を、『恋愛やセックスに「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした「草食男子」』と定義した。森岡は、「草食系男子」を、「新世代の優しい男性のことで、異性をがつがつと求める肉食系ではない。異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う草食系の男性のこと」と定義した。牛窪の定義は深澤の『平成男子図鑑』の論旨とほぼ同様。森岡は、その後、「草食系男子とは、心が優しく、男らしさに縛られておらず、恋愛にガツガツせず、傷ついたり傷つけたりすることが苦手な男子のこと」と再定義した。


ブラックホール:「草食系」登場 ガスを少しずつ吸収 毎日新聞 9/22
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100922k0000e040040000c.html
 あらゆる物質をのみ込むブラックホールの中で、吸い込むスピードが極端に遅いタイプが存在することを、理化学研究所などの研究グループが初めて確認した。ブラックホールは周囲の天体のガスを吸収する際に光るが、数日~10日間で吸収と光がピークに達する通常のブラックホールを「肉食系」とすれば、こちらは3カ月かけてゆっくり吸収する、食の細い「草食系」だ。金沢市で22日始まった日本天文学会で同日午後、発表する。
 ブラックホールは太陽の3倍以上の質量を持つ恒星が爆発後、重力崩壊を起こし、中心部に収縮したもの。強力な重力で光までのみ込む。単体での観測は困難だが、複数の恒星からなる「連星系」の中で生まれた場合、周囲の天体のガスを吸い込む際に生じる爆発現象「アウトバースト」の光が観測できる。
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 さてここからは医療関連ニュースのご紹介に移ります。まずは補完代替医療のニュースから。

 ホメオパシーで一躍有名ともなった補完代替医療ですが、医学的根拠が全てないというものではなく、あくまでも現代医学の枠に入っていないものを指します。全て科学的根拠に基づいて証明するということは難しいですが、積極的に証明してこなかったのも事実です。これは補完代替医療に限らず、例えば栄養管理などの領域においても同じことが言え、患者の顔色が良いとか、患者が痩せたとかいった主観的評価に頼り切ってきたことも確かです。こういった分野における客観的評価をするためには、基礎的研究が必須と思われますが、医療従事者においても一般的認識としてはまだまだといったお粗末な状況です。本研究がさらに拡大し、様々なトライアルに進んでくれることを期待しています。


補完代替医療:厚労省研究班が検証 がん患者、44%利用 臨床試験検討も 毎日新聞 9/22
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100922dde041040002000c.html
 がん患者の半数近くが、通常の医療とは別に健康食品や気功などの補完代替医療を利用する中、これらの有効性や安全性を個別に検証しようと、厚生労働省研究班が有効事例の収集を始めた。全国の医師に情報提供を呼びかけており、データが十分に集まった段階で薬などと同等の臨床試験に移ることも検討する。
 05年に公表された研究班の調査によると、何らかの補完代替医療を利用しているがん患者は44・6%に上り、平均で月5万円以上をかけていた。そのほとんどがキノコ類などの健康食品で、他に気功や鍼灸(しんきゅう)などが挙がった。一方、これらの有効性を科学的に検証した研究はほとんどないのが実情だ。
 研究班は、補完代替医療単独でがんが消失したり小さくなったりしたケースや、痛みなどの症状が緩和されたケースを対象に、がんの種類や進行度、使った代替医療などをデータベース化する。
■ことば ◇補完代替医療
 鍼灸や指圧、気功、健康食品、ヨガ、心理療法、温泉療法など、通常の医学の枠に入らない治療の総称。日本補完代替医療学会は「現代西洋医学領域において科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」と定義している。
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 次の話題はイレッサが働く仕組みについて。先日お届けしたニュースの続編です。先日のニュースはこちらに記載しています。 http://koji-arai.blog.so-net.ne.jp/archive/20100915


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/75 イレッサが効く仕組み 毎日新聞 9/22
 
http://mainichi.jp/select/science/news/20100922ddm013070179000c.html
 たばこを吸わない人の肺がんの多くは、EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子の異常が原因となっています。EGFRは細胞の表面に存在するたんぱく質で、これに「増殖因子」が結合すると、スイッチがオンになり、細胞の核に「増殖開始」の指令が伝えられます。しかし、EGFRを作る遺伝子に異常が起きると、「増殖因子」が結合しなくても、EGFRから「増殖指令」が出っぱなしになってしまうのです。
 肺がんに対する分子標的薬(がんにかかわる特定の分子を狙い撃ちする薬)である「イレッサ」は、EGFRの働きを抑えて、増殖指令を止めます。このため、がんの原因がEGFR遺伝子の異常である患者には有効ですが、それ以外にがんの原因がある場合は効果がありません。
 イレッサは02年7月、世界に先駆けて、日本で承認を受けました。一方、米国では、いったん承認されたあと、新規の使用を原則禁止とする措置がとられました。欧州でも、製造・販売会社であるアストラゼネカ社が承認申請を取り下げるという事態が起こりました。現在、欧州では、EGFR遺伝子に異常がある肺がん患者だけを対象にイレッサの使用が承認されています。
 日本で先行して承認されたのは、EGFR遺伝子に異常を持つ人の割合の違いが背景にあります。欧米人の肺がんでは1割くらいにしかみられませんが、日本では3~4割もいます。イレッサが効く肺がんは、欧米人よりも日本人に多いのです。
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 さて次の話題は小康状態にもある多剤耐性菌について。

 現在私の施設にも多剤耐性菌、特にアシネトバクタ―に関する調査票が続々とあちらこちらから到着しています。が、どれも同じような内容のものばかりで、一体データは本当に集約化されているのか?といった疑問が沸々と湧いてきます。このようなことは昨年の新型インフルエンザパンデミックの際にもあったことですが、実際に国民へのデータ公開というか共有はどうなっているのか、非常に由々しき問題だと思います。だからどうするねん?ということが一番大切だと思うのですが。全然昨年の新型インフルエンザ教訓が生かされていないように感じます。

 今日のニュース内容は、耐性菌が生み出される過程について書かれているものですが、何故耐性菌が生み出されるのか?といった根本的問題には触れられておらず、この部分が一番大切なのでは?と思います。薬に頼り切る医療ではこれまでと同じでまさに「いたちごっこ」です。


耐性菌、薬に合わせて対抗力も進化 読売新聞 9/19
 
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=31030
 複数の抗菌薬(抗生物質)が効かない多剤耐性菌が、国内各地の病院で検出され、問題となっている。耐性菌は、どのようにして生まれるのだろうか。
 世界最初の抗菌薬「ペニシリン」がアオカビから発見されたように、抗菌薬の多くは、自然界に存在していた物質を利用している。だが、細菌も、そうした物質に対抗する能力を進化させてきた。賀来満夫・東北大学教授は「細菌は、抗菌薬が使われ始める前から、いろいろな耐性遺伝子を備えていた」と指摘する。
 独協医科大学病院で8月に見つかった多剤耐性大腸菌が持つ酵素「NDM1」や、九州大学病院で検出された多剤耐性肺炎桿(かん)菌が持つ酵素「KPC」は、様々な細菌に効果があるとされた「カルバペネム系」の薬すら分解してしまう。
 これらの酵素を作る遺伝子は、「プラスミド」と呼ばれる小さな環状のDNAの中にあり、通常のDNAにある遺伝子より、別種の細菌へ移りやすい。赤痢菌や食中毒の原因になるサルモネラ菌など、病原性の高い菌がこの遺伝子を獲得するとやっかいだ。
 細菌表面のたんぱく質(受容体)に結合して作用するタイプの抗菌薬に対抗するため、受容体の形を変えたものもある。多剤耐性緑膿(りょくのう)菌は、内部に入ってきた薬をどんどん排出してしまう能力を進化させた。
 「耐性菌の割合が5%を超えると、日本中に広まる恐れがある」と二木芳人・昭和大学教授は心配する。医療現場でできる努力は、抗菌薬を適切に使うこと。むやみに使ったり、不十分な量で治療したりすると、耐性菌の勢力が強まってしまう。
 海外から耐性菌が持ち込まれることも多い。多剤耐性アシネトバクターは、国内にも常在しているが、福岡大学病院で昨年問題になった院内感染は、韓国で感染した患者が持ち込んだ菌が原因とみられている。
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 このニュースに関連するものですが、多剤耐性菌発生時における警察介入が医療業界に波紋を投げかけているもの。このニュースを聞いた時、福島県立大野病院事件が頭に浮かびました。今回の場合、警察が介入するということは警察にそれ相応の医学的知識を持ったチームが必要であり、そのようなチームが短期間のうちに編成されたのか、といったことが非常に気に掛かります。さらに今回の帝京大問題では、多剤耐性アシネトバクタ―が検出されたことが問題点として挙げられていますが、検出できる医療レベルにあったということも事実であり、多くの施設では多剤耐性アシネトバクタ―について検査を行っていない状況で、いわば「見付け損」みたいな印象を持たれた医療関係者も多いかと思います。かといって今回の帝京大の医療体制は大きな問題点があり、弁解の余地もないとは思いますが、多剤耐性菌を検査出来ない施設が多数あることが現実であり、こういったものに対してはどのように考えておられるのか、非常に大きな矛盾を感じます。

 いずれにしても、医学的根拠を把握したうえで明確な判断基準を示すことが必要であり、検察にしても警察にしても、介入するのであれば組織内部の医療専門家チーム編成が先と違いますか? 嘱託とかそういった曖昧なものではダメだと思います。


「警察介入に断固反対」 院内感染で病院団体協議会 産経新聞 9/17
 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100917/crm1009171726022-n1.htm
 11の病院団体でつくる日本病院団体協議会(議長・辺見公雄赤穂市民病院名誉院長)は17日、帝京大病院での院内感染に絡み、警視庁が病院関係者に任意で事情聴取したことについて「医療の不確実性を否定する警察権力の介入に断固反対する」との声明を発表した。
 声明は、多剤耐性菌による院内感染について「医療の高度化の副産物的な要素が極めて強く、完全に防止することは不可能だ」と指摘。

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 さて本日のメインニュースに移ります。先日お届けした「モンスターペイシェント」の続編です。


 暴力的行為などで不満を表す患者に対しては、警察などとの連携が強化してきていますので比較的対応しやすいのですが、今回の医学的知識を中途半端に持った患者に対する対応は非常に困難なものがあります。

 現在、医学的知識を向上させるようなテレビ番組が氾濫していますが、断片的で興味本位なものも多いです。これは視聴率をとるためには仕方のないところですが、これを視聴者がどう理解するのか影響についてもう少し配慮しないと、中途半端な自称専門家もどきが世に氾濫することとなります。勿論、医療従事者側の低認識というか低レベルというか勉強不足な方も多数おられるのが現実ですから、ある程度の刺激は必要かもしれません。

 今回の記事内容について私自身の個人的意見ですが、自分の決断は自分で責任をとることが必要で、責任転嫁しないことが大前提であると思います。医療は単なるサービス業とは異なり、患者自身に参加してもらわないと成立しないものであり、こういった部分で勘違いされている患者さんも多数おられるのが事実。患者さんに理解してもらおうと、あの手この手で医療従事者側は工夫されていると思いますが、当の患者さんに理解しようという姿勢が無いと、伝わるべきものも伝わりません。


【日経メディカルオンライン連載 2010/09/22】
 困った患者2010 Vol.2 今どきの困った患者(その1)医療知識を振りかざす
 偏った情報による自己診断に困惑

 
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t108/201009/516633.html
=================================================
 メディアを通じて仕入れた医療情報をうのみにし、自己判断で身勝手な要求を訴える患者が増えている。背景には、医療・健康情報へのアクセスが容易になったことや、マスコミ報道の過熱化などがある。説明になかなか納得せず、診療が長引いたり、適切な治療を行えないといった実態に、多くの医師が頭を抱える。

Case1 テレビ番組で情報を得て再生医療による治療求める
 中部地方の基幹病院に勤める脳神経外科医のA氏が遭遇したのは、最近話題の「再生医療」にまつわる困った患者だ。
 患者は脳梗塞で入院した60歳代の独居女性。軽度の歩行障害が残ったが、リハビリは不要で退院となった。退院後は、外来で抗血小板薬による予防的治療を行っていくことを了解していた。
 退院から1カ月ほどたったある日、患者が外来予約日の2日前に突然、来院。開口一番、A氏にこう告げた。
 「昨夜、テレビ番組で“脳梗塞を治せる幹細胞を使った治療”というものがあることを知りました。私もこの治療を受けたいんです」
 A氏は、前の晩に家族が見ていたドキュメンタリー番組を思い出した。世界中から集めた最新医学の話題として、骨髄幹細胞を使った再生医療により、急速に回復した脳梗塞の症例を紹介していた。
 ただ、脳梗塞に対する再生医療は一部の医療機関で臨床研究が行われているが、現段階では一般的な治療法ではない。また、この患者のような脳梗塞の慢性期に対しては適応がないことをA氏は知っていた。「残念ながら、当院でその治療は受けられません」。A氏は理由を説明しながらこう答えた。
再三の説得にも応じず
 しかし、患者は譲らなかった。「ならば、日本で再生医療が受けられる病院に紹介してください」。口調は丁寧だが、かなり強硬に訴えてきた。
 A氏は、たとえ臨床試験を行っている医療機関に紹介しても、適応でないこの患者は治療を受けられず無駄足になると考え、断念するよう説得した。だが患者は一向にあきらめず、会話は堂々巡りに陥ってしまった。ついにA氏は観念して告げた。「分かりました。紹介状と検査画像をお渡しするので、治療が受けられる病院はご自身で探してください」。
 その日以来、患者がA氏の外来診療に来ることはなかった。後日、患者が画像を返却しに来た際に受付のスタッフが聞いたところによれば、患者は再生医療を受けようと、ある大学病院を受診したが、断られてしまったそうだ。A氏は、「どこかほかの病院できちんとした治療を続けていればよいが…」と顔を曇らせた。

Case2 「脂質低値ほど寿命短い」、医師の治療方針に反論
 「患者が自分自身の病気に関心を持ち、情報を集めること自体は悪くない。ただ、偏った知識だけを信じて、医師の診察に耳を傾けない患者には、ほとほと困ってしまう」。東北地方の公立病院に勤務する内科医のB氏はこう打ち明ける。
 B氏が以前、企業立病院に勤めていたある日のこと、親会社で管理職を務める50歳代の男性患者が外来を訪れ、「会社の健康診断でコレステロール値が引っ掛かってしまいました。今すぐ治療しなければならないのでしょうか」と質問してきた。話しぶりなどから、知識レベルは高い印象を受けた。
 B氏は高コレステロール血症と診断し、生活習慣の改善と並行してHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)による治療を勧めた。診断に対し、患者は何か言いたそうにしていたが、その日は処方せんを受け取って帰っていった。
知識を盾に服薬を拒否
 その数週間後。患者は再診で訪れ、診察室に入るなり胸ポケットから数枚の折り畳んだ紙を取り出してこう切り出した。「あの後、インターネットで調べたらこんなことが書いてありました。だから僕は、先日もらった薬を飲みませんでしたよ」。
 患者が持っていたのは、「コレステロール値が低い人ほど平均寿命が短い」と報じる記事をプリントアウトしたものだった。記事では、ある大学の教授が発表した観察研究の結果を紹介。そのニュースは数カ月前、新聞やテレビなどでも大きく取り上げられ話題となっていた。
 ただ、コレステロールが低い群には感染症の罹患者も含まれているなど、死亡率との因果関係の解釈には注意が必要だった。一方で、コレステロール値が高い患者に対する治療薬の有効性は介入試験で示されていることから、B氏はこうした事情を患者に説明し、服薬の意義を理解してもらおうとした。
 だが患者は記事の内容を支持し、「立派な先生がおっしゃっているんだから、正しいはず。だから薬は絶対飲みません」の一点張り。やむなくB氏は薬の処方を断念した。
 その後ほどなくしてB氏は別の病院に移ったため、この患者の経過は不明だ。「自覚症状もなく、そもそも仕方なく受診した様子だったので、服薬に対する拒否反応が強かったのだろう」とB氏。「患者側の思い込みを頭ごなしに否定すると水掛け論になってしまうことが多い。今後は一度に“決着”を付けようとせず、一定期間かけて粘り強く説明していきたい」と振り返った。

Case3 自己判断で治療を放棄した、勉強熱心な高齢患者
 九州地方の病院に勤務する内科医のC氏は、訪問診療にも力を入れる診療所で週に1回、アルバイトしていた。ある日の午前11時ころ、外来診療が一段落したC氏の元に、70歳代の男性患者から電話が入った。
 「足がしびれて力が入らなくなってきた。腰の痛みもひどい。とにかく早く来てくれ」。カルテを見ると、「腰部脊柱管狭窄症」との診断名が記されていた。
 早速、C氏は患者の自宅に赴いた。寝室に入ってまず目に付いたのは、本棚や床に積み上げられた書籍の山。脊柱管狭窄症や消化器疾患に関する医学の専門書から一般向けの病院選びの指南書まで、様々なジャンルのタイトルが並んでいた。
 C氏は「ずいぶん勉強熱心な患者だなあ」と感心した。ただ以前、ほかの医師がこの患者について「自分の主張しかせず扱いにくい」とうわさをしていたのが気に掛かった。
 すると案の定、患者は、「診察は必要ない」といきなり拒否。病状の経過や、専門書と照らし合わせた自分の見解を延々と語り始めた。聞けば整形外科を受診したのは一度だけ。その際に脊柱管狭窄症が疑われたが、精密検査もしていないという。
自己流の治療は継続
 C氏は画像検査や鑑別診断を受けるよう説得したが、患者は「勉強して、今の医学では治らないようだと分かった。本人があきらめたのだから、それでいいじゃないか」と全く聞く耳を持たなかった。
 C氏は、病状を再評価すれば何らかの治療手段があると考えたものの、“治らない”と思い込んでいる患者を無理に受診させても、治療の効果が出なければトラブルになると思い、やむなく説得をあきらめた。
 さらに患者は、腹部膨満感や食欲不振、便秘といった消化器症状のつらさも訴えた。胃切除術の既往があったため、C氏はダンピング症候群を疑った。だが、その回避方法について説明しようとしても、患者は「そんなことはもう知っている」と遮ってしまう。
 一方で、床に積み上げられていた書籍の中から1冊をおもむろに手に取ると、「この本を記した医学博士のX氏がじきじきに調合してくれた薬は、本当によく効く」と話しながら満足気にうなずいた。
 患者が服用していたのは、効果が完全に証明されていない民間療法で用いられる“薬”。「先生もこの本読みますか」という誘いをC氏は丁重に断ったが、しまいには「病院でもらった薬は全く効かなかった。医者に通っても、ろくなことはない」と愚痴を聞かされる目に遭った。
 結局C氏は、患者の話に小一時間、付き合うはめになってしまった。「往診を頼み、症状の悪化をさんざん訴えておきながら、ほとんど治療介入できなかった。自己診断にお墨付きが欲しかったのか、それとも、単に話し相手が欲しかっただけなのか」。診療所への帰り道、C氏はため息しか出なかった。患者は今でも専門医への受診を拒んでいるという。
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コメント 7

もも

Case1私ももしかしたら、その予備軍かもしれません・・・・。
by もも (2010-09-23 14:11) 

conta

nice!ありがとうございました。  7年前に脳内出血で倒れた90歳の母が、やはり新聞・雑誌からの知識で先生方をこまらせております。
by conta (2010-09-24 09:12) 

しょうたく

住宅建築でもにわか知識を振りかざす建て主が増えてきて手こずるようになりました。間違った工法はできませんので断ることもあります。にわか知識からご自身で欠陥住宅を建てる建て主皮肉な物です。
by しょうたく (2010-09-24 21:20) 

たくや

病院へ行ってほとんど先生にお任せです。
気になる時はセカンドオピニオンです。
by たくや (2010-09-25 07:54) 

gaiagear

初めまして。
いつもnice!&御訪問どうも有難う御座います。
ご職業は臨床検査技師長さんなんですね。
いろいろ大変なのですね。
毎日お疲れ様です。
今後ともどうか宜しく御願い致します。
by gaiagear (2010-09-27 08:16) 

久遠

困った患者にならないように注意したいと思います。
(関節リウマチ歴4年3ヶ月)
by 久遠 (2010-09-27 15:06) 

Koji

ご訪問お返しが遅くなりました。申し訳ありません。
またコメントしていただいた方にもお返事が出来ませんでした。
この場をお借りしてお詫びいたします。


ももさん
やはり大切なのは医療関係者、特に医師との信頼関係ですね。

contaさん
この頃の患者さんはよく勉強されていて、こちらが勉強となることもしばしばです。

しょうたくさん
どの業界でも同じなのですね。中途半端に知っている素人さんが一番困りますね。

たくやさん
セカンドオピニオンは最近ようやく根付いてきた感があります。が、まだまだこの制度がさらに活用されるためにはもう少し時間がかかりそうですね。

gaiagearさん
こちらこそ宜しくお願いいたします。現場から少し離れつつありますが、現場感覚を失わないよう、検査当直に頑張って入っています。

久遠さん
困った患者さんって、結局医療従事者の立場から見て・・・ということなんですよね。もう少し患者さんと医療従事者の距離が近づけばいいのですが・・・

by Koji (2010-10-03 22:00) 

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    遠位型ミオパチーという病気をご存知でしょうか? 
    筋肉そのものに原因があって、筋力が低下する「ミオパチー」といわれる疾患の中で治療法が全くなく、
    体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく非常に重い筋肉の進行性難病です。
    100万人に数名といわれる希少疾病ですが、2008年に「遠位型ミオパチー患者会」が発足しました。
    この患者会のみならず遠位型ミオパチーという病気をより多くの方々に認知していただき、一人でも
    多くの方々に賛同していただき、患者会の目標を達成することが目標です。その一つに「難病認定」
    があります。この「難病認定」のためには「署名活動」が必須であり、皆さんのご協力が必要です。
    宜しくお願いいたします。        
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                新井 浩司

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